なんくるない 〜たくさん話して一緒に考えて〜

我が家の長男、なんか他の子供と違うかも。成長がゆっくりなのかも。と思ってから今日までの日々の記録

学校への行き渋り。今から思えば。。

長男が学校に行きたくない、と言い始めて、ヤバイ!と思いました。私の中での発達障害のザクッとした理解は、少々正確性に欠けるかもしれませんが、

①発達に特徴がある

②①が原因で本人が困っている(発達障害と診断されることがある)

③②が原因となり不登校適応障害、躁鬱などの二次障害を引き起こす

①については、まぁ、度合いはわからないけれど当てはまるだろう、と思っていました。②については、親は困っているけれど、本人はちょっと困ってることもあるのかな、くらいに受け止めていました。事態が発生した時点で、①の段階で対処方法を見つけて②にならないように、というところに心を砕いていて、おおらかな性格の長男なので、そんなにすぐに③になることはないかな、と比較的楽観的に考えていました。

その認識から一気に学校への行き渋り。

今から思えば、朝の準備が夫にどれだけせっつかれ、指摘されようとも、遅々として進まなかったのは、その時すでに身体が言うことを聞かなかったんじゃないか。

今から思えば、学校でちょっかいを出してくる友達への仕返しがとてもハードになってしまったのも、どうせ自分のせいにされる、という苛立ちや諦めからだったのではないか。(結局これが行き渋りの一番の原因だった。)

今から思えば、最近ちゃんと席に座っている、休み時間に友達と起こすトラブルが減った、という学校からの報告は、既にもう学校や友達が嫌で気力がなかったのではないか。

そんなことばかり。ただ一つ救いだったのは、まだ学校、勉強、ということ以外については前向きな気持ちを失っていなかったこと。

夫と相談して、お互い仕事を調整し、翌日から1週間学校を休ませることにしました。この手のことは、打ち手は早いに越したことはない。心が本当に参ってしまう前に。

学校を想起する勉強とは距離を置き、それまで与えていなかったゲーム機を使って切り替えの練習をしながら、好きな読書や外遊び、プログラミングなどを時間を決めてメリハリをつけてやる。平日は仕事があるので連れ出せません。家にいる時間をせめて無為に過ごさないように工夫して、休日は家族で外出してリフレッシュ。夫とは、勉強に関してなど、意見の不一致が時々ありますが、ここは一枚岩でした。それがとにかく良かった。

休ませつつ、行きたくない理由を親子で探し、その理由がどのようにしたら解消していくのか。本人の行動をどう変えるか、気持ちの持ち方をどう変えるか、それを親としてどう見守り軌道修正してあげるか、本人が先生にどこまでなら話せそうか、先生にどんなサポートならお願いできそうか。。という親子会議を繰り返しました。学校の先生とも長男と一緒に話し合いました。

幸い間もなく冬休みというタイミング。翌週から冬休みまでの1週間は、行こうと思える好きな科目だけ出席するところから学校にいく感覚を取り戻す作戦。休み明けには休みがちだったことも目立たなくなるでしょうし、復帰しやすいはず。冬休みの予定も急遽変更して長めの帰省。冬休みが明けて登校する時、長男の顔つきは心なしか穏やかに見え、いつもの笑顔が戻っているように感じました。仕事で忙しい毎日ですが、朝丁寧に送り出すこと、帰ってきたら丁寧に一日を振り返ること。以前の出力は仕事では出せませんが、今はそれが必要な大事な時。そう思っています。

見えないフラフープ

とある食堂でのこと。

長男がコップを持ってウォーターサーバーに水を汲みに行くと、ちょうど中を開けてメンテナンスをしているところでした。ウォーターサーバーの中を見られる機会なんてそんなにある事ではないので、興味津々の様子。それは分かる。

でも距離が近い!

本人の興味は目の前のウォーターサーバーの内部。メンテナンスをしてるスタッフの存在など目に入っていないのです。ちょっと後ろに下がって見るように言うも、話を聞いてるのか聞いてないのか。作業中のスタッフと接触しそうにもなりました。3、4歳の子は興味があるととても近くに寄って来ます。それが自然。でもそれが、130センチ近くある小学生だったら、はたから見ていて少し違和感がある。学校でも、学童でも、先生方から距離が近くてちょっとした動きでぶつかってしまったりすることが多い、と言われていました。確かに、一緒に出かけているとすぐに靴を踏まれる。これも距離が近いからなのだな、と納得が行きます。

でも、私はそれがよくないことであるとは言いたくなかった。確かに多くの小学2年生はある程度距離を取るかもしれない。でも、うちの長男が距離を取らないのは、相手を警戒していないからこそでもあり、本人の興味の表れでもあり、あくまでも彼の特徴です。うまくコントロールさえできれば、すごく良い特徴として捉えることができると思ったからです。

コントロールを学ぶためには、まずは距離が近いと思う人がいることを伝える必要がありました。どうやってそれを分かりやすく伝えたら良いんだろう、と迷っていると、夫から出てきたのが「見えないフラフープ」という表現。みんなそれぞれ違う大きさの見えないフラフープを持ってるんだよ。君のは小さいけど、例えば⚪︎さんのはこのくらいの大きさかもしれない。

なんと上手い表現!

即採用です。私が気に入ってこの表現を便利使いしていると、先日、機嫌が悪くて妹が近寄ってきてイラっとした時に、長男からも「見えないフラフープに入ってる!!近づかないで!」と。

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へへへ。こうなったらしめたもん。

意識にすり込まれてきたので、ここからコントロールの練習です。これがまた大変だけど、少しずつ、寄り添いながら。気づいた時に指摘して、どうしたら良いかを一緒に考えていれば、きっといつか。。焦らずに、と自分自身に言い聞かせています。

 

ある日突然、算数の問題が解けない。。

学校でほとんど勉強をして来ない(授業を聞く気がない、テストも白い部分が多い、宿題もやる気がない)ので、週末に家で夫が勉強を見ています。その気になればそれなりに出来はするので、(その是非は一旦おいておいて)とりあえず学校の授業が意味不明にならない程度にフォローする目的で。その成果あり、いわゆる100マス計算などはゲーム感覚で結構なスピードで出来るようになっていました。

ところがある日、夫からちょっと、と呼ばれて行くと、簡単な足し算ができなくて止まってしまっている、と言うのです。

6+3、6+4 まではまだ良い。その先繰り上がりが出てくると、パタッと手が止まってしまう。指で数えても良いよ、と言っても動かない。

その前日には、20からのカウントダウンが苦手みたいで引き算ができない、という話もあり、ちょうど、じゃあこれからあと何秒でやろうという時は10秒ではなく20秒から口に出してみんなでカウントダウンするようにしよう!そうしたら一瞬で覚えるから。という話をしたばかりでした。これも、本当に前から苦手だった??と半信半疑だったのですが、とうとう8+6を15、9+4も15と書く状態に。1から順に数えてみてもらうと、カウントアップでも一部数が抜ける。。。

これはなんだ???勉強がやりたくないからわざとできないふりをするような器用な(?)子ではない、というのは夫と私の共通認識。ならば本当に何かが理由で数えられない。すぐに思いついたのはストレスでした。本人はとにかく勉強が嫌で、中でも教えられることが中心の算数(計算の仕方など)や漢字が嫌いという話は以前から聞いていました。ならば一旦計算問題は棚上げ。しばらく好きな読解問題などだけをやることにしてみよう、と夫婦で話し合いました。

そんな折、電車に乗る機会があり、あと何駅で降りるか長男が訊ねてきたので「〇〇駅で降りるよ、あそこに路線図があるからあと何駅か数えてきて〜」と軽〜く促してみました。すると造作なく14駅、数えられるのです。やっぱり。勉強するという環境が嫌なんだろうと確信しました。

ちょうどタイミングよく、兼ねてから通いたいと言っていた公文に通い始めていました。公文の教室では、原則として本人のレベルに合わせて用意してあるプリントを自分でやり、採点してもらって宿題を受け取って帰ってきます。大人から教えられずとも解ける問題ばかりで性に合っていたのか、楽しそうに通い始めていました。親としては、算数ストレスが解消されてきたことを知る指標が欲しかったので、公文だけは学習のペースは下げてもらって算数も継続するということにしました。

果たして。。。

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2024年 おめでとうございます。

あけましておめでとうございます。また、能登半島地震で被災された皆さまにはお見舞い申し上げますとともに、一日も早く穏やかな生活が戻りますようお祈り申し上げます。

 

少し間が空いてしまいました。その間我が家の長男にも色々とありました。

・急に簡単な足し算引き算ができなくなる。

・朝の支度が全く進まなくなる。

・学校に行くのが嫌だと言い始める。

それぞれの話はまた別の機会に、と思っていますが、ちゃんと長男のことを理解できているのか、自分たちの判断が正しいのか、毎日悩みながら長男と対話しています。今は冬休みを挟んで少し落ち着いていますが、きっと本人も自分に起こっていることがよく分かっていないんだろうな、もしかしたらジェットコースターにでも乗ってる気分かもしれない、と思っています。

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今年も良い一年になりますように。

 

脳波を検査する?

医学的な根拠はないようですが、脳波の検査をすることで、統計学的に発達特性を推測することができるということを知りました。

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医学的な診断を受けるという程のモチベーションはないものの、もしかして?発達障害グレーゾーンってやつ?と感じはじめた長男小1夏頃、脳波検査をお試し気分で受けて来ました。

結果はADHDに類似した行動特性があるかもしれない、というもの。脳波検査なので、脳のどの部分が活発に動いているかが分かります。長男は前頭前野が活発に働いているとのこと。

前頭前野の発達は10歳くらいまでかけてゆっくり成熟するがその過程で「シナプスの刈り込み(切断)」がおこり、適切に(フル回転しなくても)情報処理ができるようになっていく。

つまり年齢とともに前頭前野の活動量は落ち着いてくるそうなのですが、それが小1児童の平均と比べて活発で、およそ4歳児平均相当とのことでした。前頭前野はWeb上の脳科学辞典(https://bsd.neuroinf.jp/wiki/)によれば↓。

この脳部位はワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能を担っている。

これが同年代に比べて未成熟。一部、記憶を頼りに書きましたので、正確性には欠けるかもしれませんが、私自身としては長男の行動に対して感じていた、突発的な行動が多い、情緒のコントロールが苦手、目に入ったものにすぐに注意を奪われる…といった傾向と照らして、至極納得のいくものでした。

医学的な診断はともかく、行動の特徴が脳の働きの特徴に由来しているとわかれば、周りと同じように、という大人の要求の難易度が高い事はクリアです。私が迷いなく接することができるようになった、という点でとても有意義な検査でした。

何事も、表現系で判断するのではなく、その下で何が起こっているのかを知る事は大事ですね。

身近な人に、いつ、どう伝えるか①

これはとても難しいなと思います。

私は、長男と会うことの多い、比較的近くに住む私の両親には、早く知っておいたもらった方が良いと思い「診断はまだ」という但し書き付きで、特性が少し目立つようになってきたタイミングで伝えました。本人がいない場で話す機会がなかったのでSMSで。

誤解を生まないように、おじいちゃんおばあちゃんがこれからも長男のありのままを受け入れ続けてくれるようにと、話す順番、言葉遣いにも気を遣いました。私が気をつけた事は↓

 

①長男以外の子供たちを「普通の子」と呼ばない。

②発達特性→発達障害→二次障害を区別することとその関係性を正しく伝える。

③本人が今、発達特性→発達障害→二次障害のどこにいて、親としてどうしたいと思っているかを伝える。

③本人がどういうことが苦手なのか、それのどこが問題で、どう対処しようとしているのかを例と共に伝える。

④夫と私が前向きに考えていることを伝える。

⑤おじいちゃんおばあちゃんにどう接して欲しいのかを伝える。

 

私は最後に、私の両親の場合は長男が初孫なので、今後妹や従兄弟が追い越していく事もあると思うけど、そんな時も、なんでお兄さんなのにできないんだ、じゃなくて、あーそういえば苦手だったんだね、と思ってもらえたら、と添えました。

これで充分だったのかは分かりませんが、ちゃんと理解をして受け入れてくれて、変わらず長男や私たち家族を応援してくれています。

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着替えは今でも苦手

長男の特徴の一つに、目に入ってくる情報に敏感で、気になってしまって、今やるべきことを放ったらかしてしまう。ということがあります。

小さい頃はみんなそうだと思うのですが、だんだん特徴として現れるようになって来ました。

友達が大好きな彼は、遠くにいる友達をいち早く見つけて、大声で呼びかけたり、近づいてくるのを待って仲良くしたり。様子が変な人(困っている人など)にもすぐに気づきます。気づいたら、どうしたのかな?と想像して行動に移す、というところはまだできませんが、だんだんそうなれたら良いな、と思います。

この特徴は良い部分である一方で、日常生活で困ることもしばしば。朝の段取りが苦手という話をしましたが、長男が年中の頃、中でもとりわけ苦手なのは着替えでした。そしてこれは今でも苦手です。

ボタンやフックのある服を用意しているわけでなし、引っ張り上げるだけのズボンと被るだけのTシャツ。毎日シンプルにその繰り返し。スキルの問題ではなく、どうしても気が散ってしまう何かがあるみたいです。

朝だけなら、眠くで身体のスイッチが入らないのは大人もよくあることなので、まぁ、理解ができるのですが、冬場のお風呂上がりですら、寒い寒いと言いながら、身体が乾いてくると平気なのか、何も着ずに遊んでいることがしばしば。

妹がいるんだし、少し恥じらいを、と思い注意をしても全く効き目ありません。そこで、最近少し試していることがあります。寒い脱衣場が嫌だというので、リビングで着替えさせているのが問題なんじゃないか。

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そういえば、保育園の先生から、カーテンで仕切って気が散らないようにしてあげればとてもスムーズに着替えられます、と言われたことがあったっけ。。

脱衣場なら気の散るものは少ないし(気の散るものを見つける天才なので、100%上手くはいかないだろうけれど)、ちょっとはマシなんじゃなかろうか。そんな浅はかな考えだけど上手くいけばいいな!

彼を変えるのではなく、環境を整えることでスムーズにできるようにする。親が今サポートできるのは、その環境を整える部分(対処方法)を一緒に考えること。将来は自分で苦手なことをカバーする対処方法を見つけられるようになって欲しいと思っています。